九頭竜湖・伊勢峠
2014/09
 
 
九頭竜湖の南側を行く遙かなみちのり
伊勢峠は人里離れた寂しいところにあった
MAP
油坂峠 伊勢峠 
笹生川ダム 
油坂峠の記念碑 使用したバイクは車体の規格により、中部縦貫自動車道の油坂峠道路(通行料無料)を通ることができない。
もちろん大型などの自動二輪なら通行可能である。
したがって、国道158号線の油坂峠越えとなる
峠の名について、「坂を登るのに、油をまいたように滑る」の説や「あまりの急坂から旅人が油汗をかいた」との由来がある。
かつては越前と美濃をつなぐ、重要な街道として、多くの人馬の往来があったと聞く。
油坂峠にある「たずさえの森」の碑。
   
九頭竜湖 油坂峠を下り、信号のないT字交差点を右折して、油坂峠道路に合流する。
現在においても、国道158号線はこのルートであり、油坂峠道路はバイパス的な存在となる。
この交差点は、右がトンネルと左側はカーブで見通しが悪く、合流には十分な注意が必要。
国道を西進すると、しばらくして左手に九頭竜湖が現れる。
このあたりは九頭竜湖の最も東側に位置する
遠くに見えるのは奥越の山々。

   
箱ヶ瀬橋 国道158号のドライブインのあるところから、福井県道230号に入ると、すぐに箱ヶ瀬橋が待ち受けている。
この橋は瀬戸大橋の試作橋として建設されたとのことであり、吊り橋の形状をしている。
橋を渡った先で道は右へ直角に折れ、これから九頭竜湖の南側を縫うように走り、大野市中島までの長い道程となる。
箱ヶ瀬橋。通称名「夢のかけ橋」吊り橋形状で1967年完成、全長266メートル。欄干が低くバイクだと遮る物がないためスリリング。
   
ふるさとの碑 箱ヶ瀬橋からしばらく行くと「ふるさとの碑」が右手に見える。
その昔、九頭竜ダムの底に沈む村の人達が旧集落近くにこの碑石を建てたとのいわれがある。
県道のヘキサに米俵(こめどろ)という変わった読み方の地名が記されていた。
地名は残っているが、もちろん民家は全くない。
石碑の向こうは九頭竜湖。
   
伊勢川橋 伊勢川橋を渡るあたりで道はクランクしている。
橋を渡って左方向が県道。ちなみに、橋を渡らず直進すると林道となり、久沢川の支流に沿って、岐阜県境の近くまで延びているようだ。
伊勢川橋を渡るとT字交差点となり県道は左折する。
右折するとダートの林道があった。

   
伊勢峠 伊勢の集落跡を通過してしばらくすると伊勢峠にさしかかる。
道は十分に狭いが、あまり険しさは感じない。
ヘアピンカーブもたいしてないし、こじんまりとした峠だ。
ただし道程は峠の東西ともに長く、人里から大きく外れる。

中部地方に峠は数あれど、無人地帯を延々と走るその長大さにおいて、長野県の上松町から御岳山麓の南から三浦ダム湖と鞍掛峠を経由して、岐阜県旧益田郡下呂町に至るルート(鞍掛峠は現在通行不可)の次点となる長さと考える。

※事前の燃料補給は必須である。
(白鳥~越前大野間にガソリンスタンドは存在しない)
木立の中を、くねった山道が続いている。
   
伊勢峠 伊勢峠(標高767m)のピーク。実にあっけらかんとした峠で、峠名を記した小さな看板が設置されているだけの殺風景な峠である。
標高もさほど高くないので、温見峠や冠山峠のような峻厳さはないが、いたって寂しいところである。
峠のピーク。来た方向(東側)を振り返る。
   
笹生川ダム湖 笹生川(さそうがわ)の貯水池まで来た。
奥に見えるのは笹生川ダム。
このあたりは断崖絶壁路で、湖側へ遮るものは何もない。
笹生川貯水池。笹生川ダムによってできた人造湖。
   
笹生川ダム 笹生川ダムである。
真名川ダムとともに発電および治水目的でつくられたダム。

堤高/堤頂長/堤体積はそれぞれ76m/209.8m/225千m3
重力コンクリートダム
ダム便覧より引用
静かな山中にあるダム。
知名度はマイナーだが、静かな佇まいで好きなダムのひとつ。
   
笹生川ダム天端 ダム天端は立ち入り、通行ともに不可。
残念ながらダム中央から見下ろすことはできない。
関係者以外となっているので、見学の許可を得れば関係者になり得るかも知れない。
   
ダム本体 県道側から見たダム本体。
76メートルの高さは中規模だが、コンクリートダムならではの高度感がある。
放水しているところをぜひ見てみたい。
   
ヤマハdt50 ダムの西側には小さな駐車スペースがある。
笹生川ダム西寄り。
   
笹生川ダム 笹生川ダムを振り返って見る。
みどりの湖面が美しい。
越美国境の山々が少しだけ見える。
   
中島発電所 笹生川ダムを過ぎ、福井県道230号も終わりが近い。
やがて左手に中島発電所の水圧鉄管が見えてくる。
残り1キロほどで国道157号に突き当たる。
伊勢峠→温見峠→馬坂峠→冠山峠というコースも、ハードな山道走行がお腹いっぱい楽しめるだろう。
笹生川ダム貯水池より落差を利用し発電する。
有効落差は136mとのこと。

   
リブレかじ惣 今回、買い出しに利用した大野市月見町のリブレかじ惣。
以前はジャスコ大野店だったところである。
現在は1Fのみ食料品店およびテナント店として営業している。
ジャスコ時代は2Fの玩具店で花火を買って、仲間たちと賑やかなキャンプを楽しんだ思い出がある。
ガラス張りの展望エレベーターから見渡した越美の山々の美しい姿が記憶に残る。
看板が変わっただけで、外観は昔のまま残っていて懐かしい。
 
9月に入って、折しも残暑が厳しく、秋を求めて今年最後の福井行きを計画した。先日の台風の影響で国道157が温見峠の手前で通行止めとの情報を得ていたので、国道156号にて郡上八幡から白鳥に至り、国道158号の旧道の油阪峠越えを計画する。今回のハイライトは、九頭竜湖の東端から福井県道230号の伊勢峠を越えて大野市中島にある麻那姫湖青少年旅行村までの行程である。県道230号に入り本州四国連絡橋の試作橋となった箱ヶ瀬橋を渡って、道は右に折れ九頭竜湖の南側を走る。程なく走ると左に入る林道が現れる。閉山になって久しい面谷鉱山跡へ向かう林道である。岐阜県境の近くに平家岳(標高1,442m)があって、登山者もこの林道を利用するらしい。少し入ってみると、ダートの悪路となった。林道利用が必須の渓流釣りと登山をするには、高度な運転技術が必要なようだ。
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