モッカ平
荒島岳佐開側登山口 (再訪)
桝谷・広野ダム周辺
2015/10
 
 
荒島岳山麓モッカ平と再訪となる
荒島岳佐開側登山口へ至る林道の探索
今庄から桝谷・広野ダム周辺を訪れる
MAP
モッカ平 荒島岳佐開側登山口
桝谷ダム 広野ダム
国道157号大河原付近 計画では、冠山林道付近の紅葉の色付き具合の確認がてら、根尾から徳山を目指すも、岐阜県道270号藤橋根尾線が馬坂峠手前での災害復旧工事により全面通行止めであったため、温見峠越えのルートに急遽変更する。

※岐阜県道270号藤橋根尾線は災害工事から冬期閉鎖に移行して、年内の通行は不可のようである。
2015/10 本巣市役所 根尾分庁舎に確認済み
国道157号 根尾黒津付近。
   
国道157号沿線 国道157号黒津~大河原の沿線より見た東側の風景。
紅葉の真っ盛りは例年だと10月末から11月初旬かと思われる。
 
這法師峠へ至る登山道入口 根尾大河原から這法師峠へ至る登山道の分岐がある。
以前にも案内した蝿帽子峠と同じ峠を云う。
僧侶が急坂を這うようにして山越えしたことから名が付いたという。
一方、福井県側で云われる蝿帽子峠は蝿(アブ)が大量に群がり、帽子を被って峠越えしたことから名付けられたという説がある。
また、水戸の天狗党の乱の際に厳冬のこの峠を武田耕雲斎の率いる一軍が越前国へ西上したことで知られる。
歴史に興味のある方は、「水戸天狗党」で検索していただきたい。
這法師峠(はえぼうしとうげ)への案内標識。
注意していないと見落とすくらい小さな存在。

   
這法師峠へ至る登山道 這法師峠までの登山道入り口。
古来は「官道」として温見峠越えより、こちらが本道だったらしい。
林道が暫く続くかと進むも、根尾西谷川の河原で道は途絶える。
根尾西谷川を徒渉すると、対岸から更に登山道は続くようだ。
徒渉の必要もあって、マイナーな山を愛でる登山家がいかにも好みそうなルートである。
   
温見峠事故 ふたたび国道157号に話を戻す。
根尾大河原を過ぎ、温見峠手前3Kmの地点でトラックの落輪事故に遭遇した。
幸いトラックの右側面(画像では山側)に数十センチの隙間があったので何とか通過できたが、近くには通行できずに立ち往生している一般車数台があった。
ドライバーはそれらの運転者に詫びるでもなく、ふてくされた表情でトラックに乗ったまま運転席でタバコを吹かしていた。
福井県側から来て左急カーブで落輪したようであるが、よくここまで来れたものだと感心もする。
国道157号岐阜・福井県境付近にあっては、全長7.7m以上の車両は通行不能となっていて、電光掲示板などで周知徹底されているが、このような落輪事故が後を絶たないようだ。
直前で慌てたパトカーとすれ違い、何か様子が変だと思った。
左後輪が2軸とも落輪。手前は福井県側で通り抜け後に撮影。

   
温見峠事故通行止め 国道157号の大野市側には、先ほどの事故による通行止の案内が掲示されていた。
通行量は少ないとはいえ国道であって、人迷惑な事故であった。
   
林道上若生子・中島線 麻那姫湖青少年旅行村にチェックイン後、バンガローのキーを貰ってから荒島岳山麓のモッカ平(持篭平)へ続く林道へ向かうことにする。
真名川ダムからダム湖右岸の林道を南下して持篭橋を渡る。
   
持篭橋 持篭谷川と真名川の合流部を渡る持篭橋。
真名川ダムからわずかの距離。
来訪時には赤い色の橋を目印にされたい。

   
真名川ダム 真名川の右岸から見た真名川ダム。
手前が右岸の林道で、若生子大橋から林道上若生子・中島線となって、大野市中島まで続く。
   
林道上若生子・中島線 右手に麻那姫湖を見ながら林道を進む。
道幅は狭小だが舗装済み。ただし、まれに来る対向車には要注意。
   
モッカ平分岐 やがてT字に近い分岐に出る。
右折すると林道本線で、上若生子・中島線経由にて中島に至る。
左折するとモッカ平への林道。
本線を外れる方が道幅が広く、左折というより道なりといった表現が適切かも知れない。右奥が林道上若生子・中島線に接続する林道。
   
モッカ平へ至る林道 モッカ平へ至る林道(名称は不詳)
少し肌寒いが好天で秋の山中を行く。
先ほどの左折で進路は東寄りとなる。
   
モッカ平へ至る林道 林道をひたすら進む。
標高が高くなっていく感じが耳がツーンとしてくることからわかる。
この先でフルサイズの4WD車がやってきて離合に苦労する。
よもや対向車が来るとは思わず、やはり気が抜けない。

   
モッカ平へ至る林道 いよいよ深山の様相を呈してくる。
このあたりから樹林地帯のまっただ中という雰囲気になる。
まだまだ林道は続く。
   
モッカ平へ至る林道 ダム湖右岸林道の分岐から7キロ程で少し拡張された場所に到着する。その先は未舗装の荒れた道となるが林道は続いている。
モッカ平はこの先からもう少しのところにあると予測する。
2キロほどはあろうか。

※ただし、GPSがないので正確な情報ではない。
地形図を見るとモッカ平は山頂ではなく、その名のとおり丘陵を指すので、林道を進んだ距離からみての憶測でしかない。
林道の終点に到達と思いきや、ゲートの先にまだまだ続いていた。
   
モッカ平付近 こんな感じで、モッカ平へ至ると思われる林道が続いている。
複数台でのツーリングであれば、結構おもしろいルートとなるだろう。
「モッカ平」で検索すると残雪の春山登山のページがいくつか出てくるのだが、当方は登山はしないので素人考えで思うに、なぜ夏ではなく残雪の季節なのか?
夏は藪漕ぎが大変で、これを避けるためだろうか。
先ほどのスペースから徒歩でのハイキングとかも良さそうである。
ただし、熊よけの鈴などの持参が必要だろう。
 
   
荒島岳佐開側登山届け 麻那姫湖青少年旅行村にて宿泊の翌日、本年8月に本ルートを見失って未達となった荒島岳佐開側登山口を目指す。
今回は国土地理院の1/25,000地図にて事前に詳しく調べておいた。
前回同様に佐開にある登山届けボックスのところから右に入る。
この道が林道鬼谷線である。

   
林道鬼谷線 林道鬼谷線を少しばかり進むと左手に養魚場が見える。
養魚場は荒島岳登山者の宿泊所?にもなっているようであったが定かではない。
(要事前確認)
このあたりは清水にて、いつもウェットな状態。
   
林道鬼谷線分岐 養魚場を過ぎて1キロも行かないところに右へ入る林道があって、これが荒島岳への佐開側登山ルートとなる。
前回はこの分岐を見落とし直進してしまい、林道の閉鎖ゲート地点まで行き、断念した経緯からの再訪である。
またしても通り過ぎるところであった鬼谷林道分岐点。
バイクフロント側が登山口へ続く林道で手前が養魚場側。

   
荒島岳登山口への林道 分岐を右側へUターンする形で登山口を目指す。
登山家の山行記録を見たら、この道をエルグランドで登った記録があって、世の中には猛者がいるものだと思ったのである。
道が荒れているのでコース取りを慎重に進む。
   
案内石碑 分岐の傍らに荒島岳への案内石碑があった。
日本百名山とあるのは、小説家および登山家の深田久弥氏が独断で日本の山100を選別して銘々したものである。
石碑は小さいので見落とし易い。
   
荒島岳登山口への林道 林道は荒れていて、九十九 (つづら) 折れの道が続く。
簡易舗装のコンクリート道。
   
大野盆地方向 急勾配とヘアピンカーブの連続で高度を一気に稼ぐ。
麓の佐開方向を見下ろすも雲海の下になって見渡せない。
まだ8時を過ぎた頃、朝の冷気でひんやりする。
   
荒島岳へ続く林道 進むにつれ、道はさらに荒れてくる。
路面中央には雑草と苔が生えていて走りにくい。
このような路面状態の林道が続く。
   
荒島岳へ続く林道 終盤は道幅が狭くなり、作業道のような状態となる。
オフロードと呼ぶにふさわしい雰囲気の中をひた走る。
   
荒島岳登山口到着 林道を進むと右手に大きな岩があり道は二手に分かれ、右手に進むと荒島岳登山ルートであるが、ここから先は徒歩でしか向かうことができないような登山道となる。
このあたりは一寸したスペースもあって道幅も広いので、クルマ2~3台の駐車は可能と思う。
親切にも荒島岳登山コースの案内が手書きしてあった。
この岩の右手に登山道の入り口がある。
林道を直進すると、小荒島へのルートとなるようだが更なる悪路。

   
荒島岳案内 上記クローズアップ。
一般車は先ほどの養魚場近くの駐車場に止めて、林道を歩くのがスタンダードなコースだが、少々の勇気があって車を傷めることが許容されるなら、ここに駐車して登山されるとかなりの時間短縮となるだろう。
養魚場からここまでの徒歩での所要時間は、およそ1時間30分と推測する。
荒島→(右)となっている。  
   
桝谷ダム 次に池田町から越前市と今庄を経由して越美県境に近い桝谷と広野のそれぞれのダムを訪れる。
国道365号の今庄町から「そば道場」を目印に福井県道231号へ入る。
途中の宇津尾の村落から標識に従い桝谷ダムへと向かう。
福井県道231号から別れトンネルをくぐるとダムに到着する。
   
桝谷ダム諸元 桝谷ダム。

ダム形式 ロックフィルダム
堤高 100.4m
堤頂長さ 344.8m
総貯水量 24,200,000m3
本体施工者 前田建設工業・熊谷組・飛島建設
所有管理 北陸農政局
着手/竣工 1979/2005
上水道・工業用水の供給という多目的ダムである
   
桝谷ダム周辺 近くには公園やトイレも完備。
「といれ」と書いてあって、少しだけヒネリが効いている ?
   
桝谷ダム湖 桝谷ダム湖と周回する林道。
ダム湖の北側の林道はダム湖の橋梁より奥が工事中にて通行止めであった。
奥越の秘境。車もいなければ人もいない。
耳を澄ますと風の音だけが聞こえる。

   
桝谷ダム湖周回林道 桝谷ダムの周回林道。
盛夏の頃に是非とも再訪したいところ。
   
大小場集落記念碑 かつてここにあった思われる村落を示した記念碑。
ダム建設により廃村になったのだろうか?
ちなみに、冬期は豪雪地帯であるようだ。  
   
広野ダム天端 福井県道231号まで戻り更に奥へ東進して、今回の最終目的地広野ダムへ到着。
九頭竜川水系日野川の最奥にあるダム。

ここで、ちょっと休憩。
日頃は昼食も惜しんで走り回るのだが、この日は大野のスーパーで買っておいたカツサンドをほおばる。
暖かいコーヒーが欲しくなった。
過去、「夜叉ヶ池福井県側」編で一度紹介したことのあるダム。
天端は一般車でも通行が可能。

   
広野ダム ダムの天端より下流方向を見下ろす。
結構な高度を感じる。
   
広野ダム諸元 広野ダム。

型式 重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積=63m/162m/143,000m3
総貯水容量/有効貯水容量=11,300,000m39,600,000m3
所有管理=福井県
本体施工者=熊谷組
着手/竣工=1967/1976
ダム目的=工業用水・発電等の多目的ダム
 ダムについての詳細な案内。
   
広野ダムとダム湖。
北側の周回コースより撮影。
   
ダム湖の周回林道 ダム天端を渡らず、北方向へ進路を進むと福井県道231号はダム湖の周回路となって更に続く。
林道のような状態だが、ここはまだ福井県道231号の延長線上。
   
二ツ屋分水堰 広野ダム東側最深部にある二ツ屋分水堰
周回コースの取り方が少々わかりにくいと思われる。
福井県道231号はこれより先は林道となり、日野川の上流に向かって北に向きを変え、数キロ先で行き止まりとなる。
分水堰とは取水施設のことなのだろうか。
   
二ツ屋分水堰案内 詳細に地図を眺めると、広野ダム湖は東西に二つあることがわかる。
西側はダム本体に由来する大きい貯水池で、東側は上流の分水堰のための貯水池。
看板は二ツ屋分水堰説明案内。
奥に見えるのが鈴谷橋で、先は周回の林道となる。
なお、二ツ屋橋という橋は分水堰貯水池の最奥にある橋を示す。
掲載時のGoogleマップに東側の貯水池は記載がないので、国土地理院の地図で確認するのがベターである。
二ツ屋分水堰は、鈴谷橋のすぐ南隣に位置する。  
   
林道で迷う 二ツ屋橋を渡って道なりに進み、福井県道231号から林道となると急に道幅は狭小となり悪路となる。
狭い上に土砂が浮いており、転倒だけは避けたい。
   
林道で迷う 程なくしてダート。
本来なら、越美国境の音にも聞く秘境こと、笹ヶ峰(1,284m)を源とする日野川に平行する林道にて、廃村となった大河内の集落跡を訪れる予定であったが、ここで地図との位置関係の相違に何となく気づく。
どうやら道を間違えたようだ。
参考地図 1

更に進むと、サラリーマン風の方が乗ったクルマと出合い、間もなく行き止まりになることを教えていただき、引き返して無事に鈴谷橋まで戻ることが出来た。
大河内の集落跡は、またいつの日か訪れる計画をたてよう。
参考地図 2
鈴谷川の上流に向かう林道であることを後で知る。
福井県道231号終点付近の分岐を誤って右にへ進んでしまった。

   
広野ダム湖 南側(左岸)の周回コースより眺める広野ダム湖。
広野ダムは、美濃俣丸(1,254m)や笹ヶ峰(1,285m)などのベテラン向けの藪山への登山口にもあたる。まさに秘境である。
   
荒島岳全容 全行程を終え、キャンプ場に戻る途中にて大野市郊外より荒島岳を望む。
奥越の秀峰「荒島岳」標高1,523m

バイク旅行では荷物の携行に制約があって、デジタルカメラについても同様で、ジャケットのポケットに収まり即座に取り出せるようなコンパクトさが求められる。しかしこういった機種は安価な代わりに、発色と奥行き感に乏しい画像となる。特にフォーカスの甘さにおいては耐えがたいレベルである。現在はPENTAXのポケットカメラを使っているが、画像の単調さには毎回辟易していたので、今回はPhotoshopのバッチ処理機能を使って一括自動補正を行ったうえで掲載した。ところがソフトウェアレベルの補正 (化粧) なのか濃淡がわずかに鮮明になった程度でかわり映えしない。同好の方のサイト画像の奥行き感とビビットな表現力には遠く及ばないのである。前置きが長くなってしまったが、秋になると落葉によりバイクでの林道走行はことさら走りに難くなる。理由は落ち葉が雨水などで濡れて滑り易いうえ、落石を落ち葉が覆い隠して思わぬ転倒を招くことがあるからだ。しかし奥越の紅葉シーズンも美しい。今秋訪問予定の諸兄におかれてはバイク、クルマを問わず移動には注意をされて、奥越の短い秋を満喫いただきたい。
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