DT50 メンテナンス情報 

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   DT50 Maintenance Information DT50 
 
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謎の白煙が多い現象について (解決済み)  
 オイルポンプケーブルの異常 久しぶりに乗車した際に、いつになく白煙の量が多いことに気づき、オイルポンプ廻りを点検したところ、スロットルからオイルポンプに延びるケーブルがオイルポンプハウジング側できちんと収まっておらず、引っかかった状態でした。
左図のように、ゴムブッシュにケーブル端が乗っています。
ケーブルが引っ張られているため、オイルポンプの吐出量が供給過多となり、白煙が多くなったと考えられます。
LED化のため、燃料タンクを脱着した際に引っかかった状態になったようです。
作業後の最終チェックの不備で、発見するまで数日かかりました。
↑ ケーブルのアウターが逸脱
オイルポンプケーブルが正常な状態 単純な原因でしたが、異常な白煙は解消されました。
ヤマハ純正の2Stオイルを使用している場合は、正常なら暖機後の白煙は非常に少ないです。
また、経験上、社外のオイルの一部に大量の白煙を吐くものがありますので注意が必要です。
↑ 手で押し込んで完了 
オイルポンプハウジング内部 念のために、スロットルと連動しているオイルポンプドラムが、正常に回転することを確認しておきました。
なお、ハウジング右側に見える、スプリングが巻いてあるケーブルは、タコメーターケーブルです。
 
DT50の欠点 (特有のクセ) 
現象  対策
①ブレーキの効きが悪い

②エンジンのかかりが悪い

③ミッションの6速が入りにくい
①ブレーキシューを純正ではなく、KITAKO製などのシュー材質の柔らかいものと交換します。
摩耗は少し早くなるようですが、効きはかなり改善します。

②信号待ちなどでエンストしたり、数分停車後の再始動が困難な場合は、夏でも躊躇なくチョークを引いてキックすると始動しやすいです。(燃料が薄い ? 原因不明)

③5速と6速の間にニュートラルがあるような感じなって、6速に入らずエンジンが空吹きした場合、クラッチを一旦切ってから再度シフトアップするとすぐ入ります。
 
 フロントフォークブーツのクイック補修
フォークブーツ補修 接着剤 ゴムの劣化により頻繁に裂けてしまうフォークブーツです、その都度交換を依頼すると費用もかさむので、筆者が行っている簡易補修を紹介します。

用意するのは
①ゴム専用接着剤 (黒色) ※靴補修用も可。

②書類クリップ又は洗濯ハサミ。

←使用したのはロックタイト社製ゴム用接着剤。
フォークブーツの補修 ブーツバンドを緩め、下へ降ろして仮締めします。
(内側に亀裂がある場合は、ブーツバンドをすべて緩め、ブーツを反転させます)
フォークブーツの補修 裂けるのは山の部分です。
接着剤を内側に入るように外周上に盛って、クリップか洗濯ハサミで口が開かないように固定します。
そのまま接着剤が乾くまで保持して、ブーツを元に戻して完了です。

接着剤の質にもよりますが、結構長持ちします。
裂けそうな他の部分も、同様な方法補強しておくとよいでしょう。
 
クラッチケーブルの交換
久しぶりにDT50のメンテナンスです。
かねてから気になっていた、クラッチのつながりとレバーの動きの渋さを解消するためにクラッチケーブルの交換を実施しました。
※クラッチケーブル YAMAHA純正 部品番号 33J-26335-00
 クラッチレバー付近の分解-1 交換は、レバー側から作業を進めました。
レバーの遊び調整ダイアルを最大に緩めて、支点となるボルトを外します。
クラッチレバー付近の分解-2 調整ダイアルのスリットを合わせ、ケーブルを抜きます。
クラッチケーブルの抜き取り-1 途中に1個所クランプ止めしてありますが、そのまま引き抜くことができます。
クラッチケーブルの抜き取り-2  通してある位置関係を確認しておきました。
フレームと排気チャンバーの間を通っています。
クラッチケーブルの取り廻し 排気チャンバーブラケットの上側を通るのが正解のようです。

※下側を通すと、ハンドルストッパーに干渉してケーブルを潰してしまいます。
クラッチケーブルミッション側-1 トランスミッション側の六角ボルトを外して、アームからケーブルを外します。

※下図を参照
クラッチケーブルミッション側-2 見えないですが、ピンの真下に抜け防止の金具があるのでマイナスドライバーで曲げて隙間を作るとケーブル端が外せます。
グリスを拭き取ると一目瞭然でした。
 クラッチケーブル新旧 念のため長さが合っていることを確認。
取り外しと逆の順で取り付けを行います。

交換後は何度もクラッチ操作を行い、あたりがついたら遊びを再度調整し完了です。
クラッチが滑るわけではないのですが、つながりにパンチがなく、レバー操作が重かったのが嘘のように解消されました。
やはり年数の経過でワイヤーケーブル類は相当傷んできているようです。
次回はフロントブレーキケーブルの交換をしようと思っています。
 
走行中トランスミッション付近よりカタカタ音発生 
(ドライブスプロケット軸穴摩耗)
減速時などスロットルを緩めた時に速度に周期して「カタカタ」と音がすることに気づきました。
静かなところで走行するとミッション付近からの異音のようです。
先ずは目視できる範囲から点検しましたところ、ドライブスプロケットの軸部にガタがあり、その部分から発生しているようで、スプロケット交換にて解消しました。
ドライブスプロケット付近 トランスミッションカバーを外し点検します。
 ドライブスプロケット チェーンをめいっぱい緩めて取り外し確認すると、スプロケットが円周方向に振れていました。

※スプロケット軸方向に3mm程度と割と大きな隙間があって動きますが、それは正常のようです。
取り外したドライブスプロケット 軸のスプライン(凹凸)に嵌まる部分が顕著に摩耗していました。
←拡大図参照
外周の歯の摩耗もそれなりにあります。

※走行3万4千キロで2度目の交換になります。
交換部品  交換に使用した部品。

左)ドライブスプロケット12T キタコ製
右上)スラストワッシャ 90209-16206 YAMAHA純正
右下)スナップリング 99009-18400 YAMAHA純正
軸部にグリス塗布  摩耗防止で軸部にモリブデングリスを塗布して組み付けましたが効果のほどは不明です。
ドライブスプロケットの丁数について。

DT50はチェーンの変更なしで13Tにドライブスプロケットの丁数を上げることができます。
それにより、理論上最高速がアップする計算ですが、実際はエンジン回転数の低下によるトルク落ちの影響でほとんど向上しません。(ノーマルエンジンの場合)
2St車の面白みに欠けた緩慢な加速になりますので、正規の12Tの使用をお勧めします。
       
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